第9章【労働生理】

神経・感覚・筋肉・睡眠

体を動かし、感じ、休む——生理のラスト

1神経系の全体像

分類内容
中枢神経脳と脊髄
末梢神経体性神経(運動・感覚)+自律神経(交感・副交感)
神経細胞(ニューロン)神経系の基本単位。細胞体+軸索+樹状突起。刺激を電気で伝える
大脳の構造外側の皮質(灰白質)=神経細胞の集まりで、感覚・運動・思考の中枢。内側の髄質(白質)=神経線維
📌
大脳は外側=灰白質(細胞体)/内側=白質(線維)。脊髄は逆(外が白質・内が灰白質)。「大脳皮質に神経細胞が集まる」が正文です。

2自律神経:交感と副交感のシーソー

器官交感神経(活動・緊張)副交感神経(休息・回復)
心臓(心拍)促進(速く)抑制(遅く)
血圧上昇下降
消化管の運動抑制促進
瞳孔散大縮小
💡 交感神経は「闘争か逃走か」のモード=心拍・血圧↑だが消化は↓。副交感はその逆。両者は同じ器官に対し反対の作用(拮抗)をし、活動を調整します。自律神経の中枢は間脳の視床下部。

3感覚器:目と耳

目(視覚)

用語内容
網膜の視細胞錐状体(すいじょうたい)=明るい所で色を感じる杆状体(かんじょうたい)=暗い所で明暗を感じる
遠近調節水晶体の厚みを変えてピントを合わせる(厚く=近く)
近視・遠視近視=眼軸が長く網膜の手前で像を結ぶ。遠視=網膜の後ろ
明順応・暗順応暗→明(明順応)は速い、明→暗(暗順応)は時間がかかる

耳(聴覚・平衡感覚)

部位はたらき
外耳・中耳音を集めて鼓膜・耳小骨で伝える
内耳蝸牛(うずまき管)=聴覚前庭・半規管=平衡感覚。前庭は傾き、半規管は回転を感じる
📌
頻出:錐状体=色・明所/杆状体=明暗・暗所(逆のひっかけ多数)。半規管=回転、前庭=傾き。内耳が聴覚と平衡の両方を担当。

4筋肉

分類特徴
横紋筋・随意筋骨格筋自分の意思で動かせる。疲労しやすい
平滑筋・不随意筋内臓・血管意思で動かせない。疲労しにくい
心筋心臓横紋筋だが不随意筋(例外)
用語内容
等張性収縮筋の長さが変わる収縮(関節を動かす。屈伸運動)
等尺性収縮筋の長さは変わらず張力が変化(姿勢の保持、物を持って静止)
筋力筋の断面積に比例(太い筋ほど強い)。性差・年齢差は比較的小さい
エネルギー源ATP。激しい運動で酸素が不足すると乳酸がたまり疲労
💡 ひっかけ:「心筋は随意筋」→誤り。心筋は横紋筋だが不随意筋。荷物を持って立ち止まる=等尺性収縮

5疲労・睡眠・ストレス・体温

テーマポイント
睡眠と自律神経睡眠中は副交感神経が優位。体温・血圧・心拍は低下
睡眠のホルモンメラトニンが睡眠を促す。コルチゾールは朝の覚醒に向け分泌が増える
レム睡眠/ノンレム睡眠レム=体は休み脳は活発(夢)・眼球が動く。ノンレム=脳も休む深い眠り
体温調節中枢は間脳の視床下部。暑い→発汗・血管拡張で放熱、寒い→ふるえ・血管収縮で産熱。恒常性(ホメオスタシス)
発汗体熱放散の蒸発(汗1gの蒸発で約0.58kcalを奪う)。精神的緊張による発汗もある
ストレス適度なストレスは活力。過度・持続でストレス反応(自律神経・内分泌の乱れ)。個人差が大きい
📌
頻出:レム睡眠=体は休むが脳は活動(眼球運動あり)。体温・代謝の調節中枢は視床下部。睡眠中は副交感神経が優位。

6理解度チェック

Q1. 大脳で神経細胞が集まっているのは?
Q2. 交感神経が優位なときの心臓・消化管の働きは?
Q3. 暗い所で明暗を感じる視細胞は?
Q4. 荷物を持って同じ姿勢で立ち止まっているときの筋収縮は?
Q5. レム睡眠の説明として正しいのは?

7まとめ

4行でおさらい

① 中枢神経=脳・脊髄。大脳は外側が灰白質(細胞体)。自律神経は交感(活動)と副交感(休息)が拮抗。

② 目:錐状体=色・明所、杆状体=明暗・暗所、調節は水晶体。耳:内耳の蝸牛=聴覚、半規管=回転、前庭=傾き。

③ 骨格筋=横紋・随意、内臓=平滑・不随意、心筋=横紋だが不随意。等尺性収縮は姿勢保持。筋力は断面積に比例。

④ 睡眠中は副交感優位。レム=脳が活発、ノンレム=脳も休む。体温調節の中枢は視床下部(ホメオスタシス)。

🎉 全9章おつかれさまでした! ここからは数字早見表とAnkiで反復→公表問題(過去問)を5回分解けば合格圏です。間違えた問題はノートに記録して繰り返しましょう。