第8章【労働生理】

消化・肝臓・腎臓・内分泌

食べたものを処理し、体内の状態を一定に保つ

1三大栄養素と消化酵素

栄養素分解する酵素最終的に
炭水化物(糖質)アミラーゼ(唾液・膵液)→マルターゼブドウ糖に分解され小腸で吸収
たんぱく質ペプシン(胃)・トリプシン(膵液)アミノ酸に分解
脂質(脂肪)リパーゼ(膵液)。胆汁が乳化を助ける脂肪酸とグリセリン(モノグリセリド)に分解
用語内容
胆汁肝臓で作られ胆のうで濃縮。消化酵素を含まないが脂肪を乳化して消化を助ける
吸収分解された栄養素は主に小腸の絨毛から吸収。糖・アミノ酸→毛細血管(門脈)脂肪→リンパ管
📌
「ブドウ糖/アミノ酸/脂肪酸・グリセリン」の最終分解物の対応はそのまま出題。胆汁は酵素を含まないのがひっかけ定番。

2肝臓:体の化学工場

はたらき内容
代謝・貯蔵ブドウ糖をグリコーゲンに変えて貯蔵し、必要時に戻す。脂肪・たんぱく質の代謝も
たんぱく質合成アルブミンや血液凝固因子(フィブリノーゲン)を合成
解毒アルコールや有害物質を分解。アンモニアを尿素に変える
胆汁の生成脂肪の消化を助ける胆汁を作る
その他古い赤血球由来のビリルビン処理など
💡 肝機能の指標:γ-GTP・AST(GOT)・ALT(GPT)。お酒で上がりやすいのはγ-GTP。「肝臓はブドウ糖をグリコーゲンとして蓄える」は頻出の正文。

3腎臓と尿の生成

🩸
糸球体でろ過
血液をボウマン嚢へろ過。たんぱく質・血球は通らない(原尿)
♻️
尿細管で再吸収
水分・糖・アミノ酸・電解質を血液に戻す(ブドウ糖は全部再吸収)
💧
尿
残った老廃物が尿に。1日約1.5L
用語内容
ネフロン(腎単位)糸球体+ボウマン嚢+尿細管。尿を作る基本単位
健康な尿たんぱく質・糖は出ない(糸球体でろ過されないか再吸収される)。出たら異常のサイン
尿の性状弱酸性。1日尿量約1.5L。尿素窒素(BUN)が高いと腎機能低下
📌
ひっかけ:「糸球体でブドウ糖がろ過されない」→誤り。ブドウ糖は糸球体でろ過されるが尿細管で全部再吸収されるので健康なら尿に出ない。たんぱく質は大きいので糸球体でろ過されません。

4内分泌(ホルモン)と代謝

ホルモン分泌器官はたらき
インスリン膵臓(ランゲルハンス島β細胞)血糖値を下げる(唯一の低下ホルモン)
グルカゴン膵臓(α細胞)血糖値を上げる
アドレナリン副腎髄質血糖↑・心拍↑(交感神経と同じ働き)
コルチゾール副腎皮質血糖↑・抗炎症・ストレス対応
甲状腺ホルモン甲状腺全身の代謝を促進
パラソルモン副甲状腺血液中のカルシウム濃度を調節
代謝の用語内容
同化/異化同化=栄養素を体の成分に作りかえる、異化=分解してエネルギーを取り出す。あわせて代謝
基礎代謝量覚醒・横臥・安静時に生命維持に使うエネルギー。睡眠中ではない点に注意。同性同年齢なら体表面積にほぼ比例
エネルギー代謝率(RMR)作業に要したエネルギー÷基礎代謝量。作業強度の指標(精神的作業や静的筋作業には適さない)
💡 血糖を下げるのはインスリンだけ、上げるホルモンは複数(グルカゴン・アドレナリン・コルチゾール)。基礎代謝は「覚醒・安静・横臥」であって睡眠中ではない、が定番ひっかけ。

5理解度チェック

Q1. たんぱく質が分解されてできる最終産物は?
Q2. 胆汁について正しいのは?
Q3. 健康な人の尿に通常は排出されないものは?
Q4. 血糖値を下げるホルモンは?
Q5. 基礎代謝量が測定される状態は?

6まとめ

4行でおさらい

① 糖→ブドウ糖、たんぱく質→アミノ酸、脂質→脂肪酸+グリセリン。胆汁は酵素なしで脂肪を乳化。

② 肝臓はグリコーゲン貯蔵・アルブミン合成・解毒(アンモニア→尿素)・胆汁生成。

③ 腎臓:糸球体でろ過→尿細管で再吸収。健康なら糖・たんぱくは尿に出ない。

④ 血糖を下げるのはインスリンだけ。基礎代謝は覚醒・安静・横臥時(睡眠中ではない)。