第7章【労働生理】

血液・循環・呼吸

体のなかの「運ぶ」しくみ。生理は得点源

1血液の成分

成分割合・特徴はたらき
血漿(液体)血液の約55%。大部分が水、たんぱく質(アルブミン・グロブリン・フィブリノーゲン)栄養・老廃物の運搬、浸透圧の維持、免疫(グロブリン)
赤血球血球の大部分。ヘモグロビンを含む。寿命約120日。男性の方が多い酸素を運ぶ。ヘマトクリット=血液中の赤血球の容積の割合
白血球核がある。好中球・リンパ球など。男女差なし異物・細菌を排除(免疫)。リンパ球はT細胞・B細胞で抗原抗体反応
血小板核がない止血(血液凝固)
📌
血液凝固=血漿中のフィブリノーゲン(線維素原)がフィブリン(線維素)に変化して血球をからめる。「赤血球が固まる」ではない点に注意。血清は血漿からフィブリノーゲンを除いたもの。
💡 男女差が出るのは赤血球・ヘモグロビン・ヘマトクリット(男性が多い)。白血球と血小板は男女差なし——ここがひっかけ。

2血液型と免疫

用語内容
ABO式血液型赤血球の抗原と血清中の抗体の組合せ。A型は抗B抗体をもつ
抗原(こうげん)免疫反応を引き起こす異物(細菌・ウイルスなど)
抗体抗原に対して作られる免疫グロブリン。抗原と特異的に結合(抗原抗体反応)
体液性免疫リンパ球のB細胞が抗体を作って攻撃
細胞性免疫リンパ球のT細胞が直接異物を攻撃

3心臓と血液循環

🫀
心臓
自律神経の影響を受けつつ、自動的に拍動(洞結節がペースメーカー)
🅰️
動脈
心臓から送り出す血液が流れる血管(血圧が高い)
🅥
静脈
心臓へ戻る血液。逆流防止の弁あり
循環経路ポイント
体循環(大循環)左心室→大動脈→全身→大静脈→右心房動脈に動脈血(酸素多い)が流れる
肺循環(小循環)右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房肺動脈には静脈血、肺静脈には動脈血(ここだけ逆!)
📌
最頻出ひっかけ:「肺動脈には動脈血が流れる」→誤り。肺動脈は心臓から肺へ向かう血管だが、中身は酸素の少ない静脈血。「動脈血/静脈血」は血管名ではなく酸素を多く含むかで決まります。
💡 冠動脈(冠状動脈)は心臓の筋肉自身に酸素・栄養を送る血管。ここが詰まると心筋梗塞。門脈は消化管からの血液を肝臓へ運ぶ静脈です(第8章)。

4呼吸のしくみ

用語内容
外呼吸肺胞で空気中の酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換
内呼吸(組織呼吸)全身の組織細胞と血液の間のガス交換
呼吸運動横隔膜と肋間筋が動いて胸郭の容積を変える。肺自体に筋肉はない
吸気横隔膜が下がり胸腔が広がって空気が入る
呼吸中枢延髄にある。血液中の二酸化炭素濃度が高まると呼吸が深く・速くなる
呼吸数成人で1分間に16〜20回。運動・発熱・興奮で増加
📌
呼吸を速める一番の刺激は「血液中のCO₂(二酸化炭素)の増加」。「酸素が減ると」ではなくCO₂が主。呼吸中枢は延髄、と暗記。

5理解度チェック

Q1. 血液凝固で変化するたんぱく質の組合せは?
Q2. 男女差があるのは次のうちどれ?
Q3. 肺動脈を流れる血液は?
Q4. 呼吸中枢があるのは?
Q5. 呼吸を促進する主な刺激は血液中の何の増加?

6まとめ

4行でおさらい

① 血液=血漿(55%)+血球。赤血球はヘモグロビンで酸素運搬、白血球は免疫、血小板は止血。

② 血液凝固はフィブリノーゲン→フィブリン。男女差は赤血球系のみ(白血球・血小板はなし)。

③ 体循環の動脈=動脈血、肺循環だけ逆(肺動脈=静脈血、肺静脈=動脈血)。

④ 外呼吸は肺胞、呼吸運動は横隔膜・肋間筋、呼吸中枢は延髄。CO₂増加で呼吸促進。