第6章【労働衛生】

救急処置と食中毒

いざというときの応急手当と、食中毒の分類

1一次救命処置(心肺蘇生・AED)

👀
①反応の確認
なければ大声で応援・119番・AED手配
👃
②呼吸の確認
普段どおりの呼吸がなければ心停止と判断
💓
③胸骨圧迫
直ちに開始
④AED
到着しだい装着・音声に従う
項目基準
胸骨圧迫の位置・深さ胸の真ん中を約5cm(6cmを超えない)沈む強さ
テンポ1分間に100〜120回
圧迫と人工呼吸の比30:2(人工呼吸ができない・ためらう場合は胸骨圧迫だけでもよい)
AED電気ショック後は直ちに胸骨圧迫を再開。心電図解析・ショックは機器の音声指示に従う
📌
数字の定番:圧迫は約5cm・100〜120回/分・30:2。「普段どおりの呼吸があるか」で心停止を判断します。

2出血・ショック

用語内容
体内の血液量体重の約1/13(約8%)。その1/3を急速に失うと生命に危険
動脈性出血鮮紅色で拍動性に噴き出す。緊急度が高い
静脈性出血暗赤色でじわじわ。圧迫止血が有効
止血法の基本まず直接圧迫法(傷口をガーゼ等で直接押さえる)。止血時は感染防止に手袋等
止血帯法四肢の動脈性大出血で直接圧迫で止まらないとき。装着時刻を記録

3熱中症・骨折・やけど

傷病ポイント
熱中症の分類I度(めまい・こむら返り)→II度(頭痛・吐き気・倦怠感)→III度(意識障害・けいれん・高体温)。涼しい所で体を冷やし水分・塩分
骨折(単純・複雑)単純骨折=皮膚の下で折れた(閉鎖)複雑骨折=折れた骨が皮膚を破った(開放)=感染リスク大。むやみに動かさず副子で固定
脱臼・捻挫冷やして固定。整復は医療機関で
熱傷(やけど)すぐ水で冷やす。水疱はつぶさない。広範囲は重症
💡 ひっかけ定番:「複雑骨折=骨が複雑に砕けた」は誤り。複雑骨折=開放骨折(皮膚を破っている)のこと。単純/複雑は割れ方でなく皮膚を破ったかどうかで分けます。

4食中毒:原因による分類(頻出!)

分類主な菌・物質特徴
感染型(細菌)サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター菌そのものが腸で増えて発症。加熱で予防。腸炎ビブリオは海産魚介類・好塩性
毒素型(細菌)黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌菌が作った毒素で発症。黄色ブドウ球菌の毒素(エンテロトキシン)は熱に強い。ボツリヌスは神経毒・致死率高い
ウイルス性ノロウイルス冬に多い。少量で発症・人から人へ。85〜90℃・90秒以上の加熱で失活
自然毒フグ毒(テトロドトキシン)・毒キノコ
化学性ヒスタミン(赤身魚の鮮度低下)
📌
分類の入れ替えが最頻出。「サルモネラ・腸炎ビブリオ=感染型」「黄色ブドウ球菌・ボツリヌス=毒素型」を確実に。O157(腸管出血性大腸菌)はベロ毒素を産生し加熱に弱い、と覚えます。

5その他の応急・健康障害

用語ポイント
窒息(気道異物)背部叩打法・腹部突き上げ法(ハイムリック法)
脳血管障害脳出血・くも膜下出血(出血性)/脳梗塞(虚血性)。急な激しい頭痛・片麻痺・言語障害
虚血性心疾患狭心症(一時的)と心筋梗塞(壊死・15分以上続く胸痛)
一酸化炭素中毒無色無臭。ヘモグロビンとの結合力が酸素の200倍以上で酸素運搬を阻害

6理解度チェック

Q1. 胸骨圧迫のテンポは1分間に何回?
Q2. 折れた骨が皮膚を破って外に出ている骨折は?
Q3. サルモネラ菌による食中毒の分類は?
Q4. 熱に強い毒素(エンテロトキシン)を作る食中毒菌は?
Q5. 出血で生命に危険があるのは、体内血液量のおよそどれだけを失ったとき?

7まとめ

4行でおさらい

① 一次救命処置:反応・呼吸を確認→胸骨圧迫(約5cm・100〜120回/分・30:2)→AED。

② 出血は直接圧迫法が基本。動脈性は拍動性で緊急。血液量の1/3喪失で生命危険。

③ 単純骨折=閉鎖、複雑骨折=開放(皮膚を破る)。熱傷はすぐ冷やし水疱はつぶさない。

④ 食中毒:感染型(サルモネラ・腸炎ビブリオ)/毒素型(黄色ブドウ球菌・ボツリヌス)/ウイルス(ノロ)。分類の暗記が要。