第5章【労働衛生】

健康保持増進とメンタルヘルス

体と心の健康づくり+作業管理のガイドライン

1労働衛生の3管理+α

作業環境管理
環境を整える(換気・照明・温度)
作業管理
作業のやり方を整える(時間・姿勢)
健康管理
人の健康を守る(健診・事後措置)

これに「労働衛生教育」「総括管理」を加えて5管理とも。どの対策がどの管理に当たるかの分類問題が出ます(例:腰痛対策の作業姿勢の改善=作業管理)。

2THP(トータル・ヘルスプロモーション・プラン)

「健康保持増進措置」の指針。すべての労働者を対象に、心と体の両面から健康づくりを進めます。

📏
健康測定
生活状況・医学的検査など。健診とは目的が違う(健康づくりが目的)
🏃
運動指導
個人に合った運動プログラム
🧘
メンタルヘルスケア・
栄養指導・保健指導
必要に応じて実施
💡 ひっかけ:「健康測定は健康診断の結果をそのまま使う」→健康測定は健康づくりを目的とした独自の測定(健診結果の活用は可)。「対象は有所見者のみ」→全労働者が対象。

3メンタルヘルスケア:4つのケア

ケア担い手
① セルフケア労働者自身ストレスへの気づき・対処
② ラインによるケア管理監督者職場環境の改善、部下の相談対応
③ 事業場内産業保健スタッフ等によるケア産業医・衛生管理者等計画の実施、個人情報の取扱い
④ 事業場外資源によるケア外部の専門機関EAP・医療機関との連携
進め方のポイント内容
心の健康づくり計画衛生委員会で調査審議して策定。中長期的・継続的に
留意事項①心の健康問題の特性(評価が難しい・偏見) ②個人情報の保護への配慮 ③人事労務管理との関係 ④家庭・個人生活等の職場以外の問題
📌
「4つのケア」の担い手の入れ替えひっかけが定番(例:ラインによるケア=産業保健スタッフ→誤り。管理監督者)。

4腰痛予防対策・情報機器作業のガイドライン

腰痛予防対策指針(重量物取扱い)

項目基準
男性(満18歳以上)体重のおおむね40%以下
女性(満18歳以上)男性の取扱重量のおおむね60%位まで
健康診断重量物取扱い作業等への配置前+その後6か月以内ごとに1回
作業姿勢できるだけ腰を下ろし、膝を曲げて持ち上げる。腰部保護ベルトは一律でなく個人ごとに効果を確認して使用

情報機器作業(パソコン作業)ガイドライン

項目基準
一連続作業時間1時間を超えないように
作業休止時間次の作業までに10〜15分。一連続作業中にも1〜2回の小休止
照度書類上・キーボード上で300ルクス以上
視距離・文字ディスプレイはおおむね40cm以上離す。文字高さ3mm以上が目安
健康診断配置前+1年以内ごとに1回(業務歴・自覚症状・眼科学的検査・筋骨格系検査)。一般健診と併せて実施可

5労働衛生統計・健康測定の指標

用語内容
有所見率ある時点での検査の有所見者の割合(静態データ
発生率一定期間に有所見が発生した人の割合(動態データ
BMI体重(kg)÷身長(m)²。25以上で肥満(日本基準)
メタボ判定(腹囲)男性85cm・女性90cm以上+血圧・血糖・脂質のうち2つ以上
スクリーニングレベル低く設定されているため偽陽性率が高くなる(病気でないのに陽性と出やすい)
相関と因果相関関係があっても因果関係があるとは限らない
💡 メタボの腹囲は「男性85cm・女性90cm」と女性の方が大きいのが日本基準の特徴。逆にしたひっかけが出ます。

6理解度チェック

Q1. メンタルヘルスの「ラインによるケア」の担い手は?
Q2. 満18歳以上の男性が人力で取り扱う重量物の目安は体重の…?
Q3. 情報機器作業の一連続作業時間の上限の目安は?
Q4. ある時点での有所見者の割合を表す統計用語は?
Q5. BMIの計算式は?

7まとめ

4行でおさらい

① 労働衛生は作業環境管理・作業管理・健康管理の3管理(+教育・総括で5管理)。

② THPは全労働者対象。健康測定→運動指導等。メンタルは4つのケア(セルフ・ライン・事業場内スタッフ・事業場外資源)。

③ 重量物は男性で体重の40%以下・女性はその60%。情報機器作業は連続1時間以内+休止10〜15分。

④ 有所見率=静態、発生率=動態。BMI=体重÷身長(m)²。腹囲基準は男85cm・女90cm。