第4章【労働衛生】

作業環境管理

温度・湿度・光・空気——働く環境を数値で管理する

1温熱条件:暑さ寒さを決める4要素

用語内容
温熱4要素気温・湿度・気流・放射(ふく射)熱の4つで温熱環境が決まる
実効温度(感覚温度)気温・湿度・気流の3要素から求める体感の指標(放射熱は含まない)
至適温度暑くも寒くもない快適な温度。作業強度・年齢・性別などで変わる
相対湿度空気中の水蒸気分圧÷その温度の飽和水蒸気圧×100。乾球・湿球温度計の差から求める

2WBGT(暑さ指数):熱中症リスクの指標

WBGTは熱中症予防に使う指標。計算式の「重み」がそのまま出題されます。

日射がない場合(屋内)

自然湿球温度×0.7
黒球温度×0.3
WBGT屋内式

日射がある場合(屋外)

自然湿球温度×0.7
黒球温度×0.2
乾球温度×0.1
WBGT屋外式
📌
どちらの式も湿球温度の重みが0.7で最大=湿度の影響が一番大きい。「暑さより蒸し暑さが危険」と覚えましょう。WBGT基準値は身体作業強度が高いほど小さく暑熱順化していない人ほど小さくなります(超えたらリスク)。

3必要換気量:計算問題の定番

在室者の呼吸で増えるCO₂を基準以下に保つために必要な換気量です。

室内のCO₂発生量m³/h
÷
(室内基準濃度−外気濃度)0.1%−0.03〜0.04%
必要換気量m³/h

例:1人のCO₂呼出量0.018m³/h、外気0.04%なら → 0.018÷(0.001−0.0004)=30m³/h/人

💡 濃度の単位合わせ(%→小数)を間違えるのが定番ミス。基準は室内0.1%(1,000ppm)・外気は0.03〜0.04%(300〜400ppm)。必要換気量の基準になるのはCO₂濃度(酸素でも一酸化炭素でもない)。

4採光・照明・彩色

項目ポイント
全般照明と局部照明併用する場合、全般照明の照度は局部照明の1/10以上が望ましい
まぶしさ(グレア)光源と視線の角度は30度以上に。間接照明はまぶしさが少ない
立体感に適度な影は必要。ただし手元の作業に影を落とさない(右利きなら左前方から光)
彩色目の高さより上は明るい色(まぶしさ防止に彩度を下げる)、下は濁色で汚れを目立たせない
窓の採光北向きの窓は直射日光が入らず明るさが安定
📌
法令上の照度基準(一般事務300ルクス・付随的150ルクス)は第2章で学習済み。労働衛生科目では「望ましい条件」として出題されます。

5快適職場・受動喫煙防止

項目ポイント
快適職場指針の4つの視点①作業環境の管理 ②作業方法の改善 ③疲労回復支援施設 ④職場生活支援施設(トイレ等)
考慮事項継続的・計画的な取組、労働者の意見の反映、個人差への配慮、潤いへの配慮
喫煙専用室の基準①出入口で室内に向かう気流0.2m/s以上 ②たばこの煙が室内から流出しないよう壁・天井等で区画 ③煙を屋外排気 ④出入口に標識
喫煙専用室では飲食は不可(飲食可能なのは加熱式たばこ専用の「指定たばこ専用喫煙室」のみ)

6理解度チェック

Q1. 実効温度(感覚温度)を構成する3要素は?
Q2. 屋内(日射なし)のWBGTの計算式は?
Q3. 必要換気量の計算の基準となるガスは?
Q4. 全般照明と局部照明を併用するとき、全般照明の照度は局部照明の…?
Q5. 喫煙専用室の出入口で必要な気流は?

7まとめ

4行でおさらい

① 温熱4要素=気温・湿度・気流・放射熱。実効温度は放射熱を除く3要素。

② WBGT:屋内=0.7湿球+0.3黒球、屋外=0.7湿球+0.2黒球+0.1乾球。湿度の影響が最大。

③ 必要換気量=CO₂発生量÷(室内0.1%−外気0.03〜0.04%)。単位合わせに注意。

④ 全般照明は局部の1/10以上、目より上は明るい色・下は濁色。喫煙専用室は気流0.2m/s以上・飲食不可。